ジョン・フリンとロイヤル・フライング・ドクター・サービス

ブリスベンからダーウィンまでの旅の話の続きです。

昼休憩も終わり、ところどころで休憩しながらまた車を走らせ、クロンカリー(Cloncurry)という人口3000人足らずの小さな町に到着しました。

クロンカリーでの目的はここ、
Royal Flying Doctor Service Museum
ロイヤル・フライング・ドクター・サービス博物館。

同じ名前の博物館がノーザンテリトリーのアリス・スプリングスにもありますが、クイーンズランド州の小さなこの町にもあります。
なぜかというと、世界で初めて救急車ならぬ救急飛行機が飛んだ場所が、ここ、クロンカリーなんです!

そしてオーストラリアで「フライング・ドクター」と言えばこの人、
ジョン・フリンの肖像
ロイヤル・フライング・ドクター・サービスの創始者、ジョン・フリン(John Flynn)です。

オーストラリアに住む人で、この人の名を知らなくても顔を知らない人はいません。

どうしてかというと、
ジョン・フリンの肖像入りの20ドル札展示
20ドル紙幣に印刷されている人だからです!(^^)!

ジョン・フリン自身はドクター(医者)ではなく、牧師さんだった方です。
自身もアウトバック(オーストラリア内陸部)の町に生まれて幼くして母を失なう体験をし、医者さえいれば命を救えたかもしれない人たちを助けるために尽力して、当時は「無理だ」と言われていた「空飛ぶお医者さん」のシステムを、ついに設立させました。

これが博物館内部です。
ロイヤル・フライング・ドクター・サービス博物館内部
博物館の床は、上空からみたアウトバックの景色になっていました。

博物館の中にあった、ジョン・フリンの人形。
ジョン・フリン人形
・・・なのですが、

なんかマイクロソフトの某氏みたいですね^^;
ビル・ゲイツじゃありません
この人形が使っているのは、ペダルのついている、足踏み式の無線機です。

ジョン・フリンがフライング・ドクターの実現を目指していた時代、お金にはなりそうも無いフライトのための飛行機やパイロット・医師などの人材の確保以上に一番の難関だったのが、「事故による怪我や病気が発生した緊急時、それをどうやって遠くにいる医師に伝えるか?」ということだったそうです。
広大なアウトバックのあちこちに散らばっている開拓民と即座に連絡を取ることが、当時はとても難しかったんです。
また、無線機はあっても電力の確保は大変なことでした。
そこでジョン・フリンとその賛同者は力を合わせて足踏み式の無線機を開発、それを使うことで解決しました。

レプリカで無線機を体験できるコーナーもありました。
フライング・ドクターと共に普及した無線機のレプリカ
この無線機はアウトバックのあちこちに設置され、その後、緊急時だけでなく、就学児童の教育にも使われるようになったんです。
これにより、学校が遠すぎて通えない場所に住む子どもたちも、親から離れることなく教育を受けることが出来るようになりました。

ちなみに現在では無線機だけでなくインターネットを使った遠距離教育が行われていますが、対象はアウトバックに住む子どもたちだけでなく、オーストラリア国外に住む子どもにも広げられるようになりました。
オーストラリアの国籍または移住権を持っている子どもなら、世界中どこにいてもインターネットさえあればオーストラリアの教育を受けられるようになっています。

ジョン・フリンに賛同し、協力した人たちについての展示もありました。
ジョン・フリンに協力した人たち
人の善意が心にしみるような博物館でした・・・

■■■ おまけの観光。■■■

クロンカリーにはもうひとつ、観光名所?があります。
それは、チャイナマン・クリーク・ダムという貯水池です。

天気もよくて気分サイコー!・・・だったのですが、水辺にはこんな看板が。
ワニ注意看板

これが拡大図。
ワニ注意看板拡大図
・・・ワニ注意 Σ(゚Д゚;)!

しかも驚いたことに、
「ワニが出るから遊泳禁止」
ではなく、
「もし泳ぐんなら注意してね」
と書いてあります(><)そんなところで泳ぐのヤダー!

娘が怖がるので、ダムはちょっと見学しただけで、早々に退散致しましたとさ。

・・・続く!

ジョン・フリンとロイヤル・フライング・ドクター・サービス” への12件のフィードバック

  1. tomo

    おおお!「新八犬伝」・・・懐かしい~~~
    私はこれで「破傷風」って言葉と、「生き血で治す」とかいうこわ~~い説を学んだのでした。
    毎回毎回ほんとに楽しみでしたよ~~~。サンダーバードもプリンプリンも見てましたよ。
    ついでに言っちゃうと「ブーフーウー」もね^-^
    その影響なのか、小学校では「人形劇クラブ」に所属し、人形を作ったりしていたのでした。話がすっかり人形劇にいってしまいましたね。
    フライングドクターの話でしたね。。。
    人が考えないことをするとか、前例が無いことをするって言うのは大変な勇気と意志が必要なんだと思います。私も欲しいです、「勇気と意志」

    • KYO

      ▼tomoさん、

      わー、同世代ですねっ!
      ・・・と、書こうとしましたが、「ブーフーウー」見てませんでした・・・tomoさん、先輩ですね(笑)
      人形劇クラブですかぁ、面白そうですね〜!

      勇気と意思ですか。両方とも私に欠落しているものです。私も欲しいです。

  2. おやびん

    ジョン・フリンさん、素晴らしい方ですね~
    足踏み式の無線機、初めて知りました

    インターネットを使った遠距離授業というのもすごいですね
    日本みたいな小さな国では必要ないのかもしれませんがf^^;

    ワニに注意しながらなんて泳げませんよぉ~~(><)
    遊泳禁止にするべきでは・・・f^^;

    • KYO

      ▼おやびんさん、

      日本でも、同じサービスを始めたらもしかしたら離島や山村に住む子どもたちにはメリットがあるかもしれませんよ〜。
      もっとも、日本は一人か二人しか児童がいなくても小学校は用意するんですよね。
      これまたすばらしいサービスだなぁと思います。

      ワニですが、多分、「必ず出没する!」という地域ではないからの措置だと思うんです。
      ・・・にしても怖いですよね(;_;)

  3. Roo

    「もし泳いでたら注意してね」ってところが信じられない!
    さすがオージー(^^;)

    ジョン・フリンさんのお人形、見た瞬間にNHKの人形劇を
    思い出しました。
    なんだか雰囲気が似てる気が・・・。

    • KYO

      ▼Rooさん、

      NHKの人形劇というと、プリンプリン物語と新八犬伝しか思い浮かばない私です^^;
      私はこの人形を見て、サンダーバードを思い出しました〜

  4. 虹のパパ黒山羊

    あはは、ワニが出るから「もし泳ぐなら注意してね」ってのが…
    自己責任というのはこういうことなんですよ>日本の政治家さん

    • KYO

      ▼虹のパパ黒山羊さん、

      実のところ、オーストラリアでも最近は「自己責任でお願いね!」という看板は減りつつあって、明確に「禁止!」って書いてあることが多いです。
      都市部では特にそうですねー
      ちょっと残念な気もします・・・

  5. づみ

    最初に行動する人ってパワー入りますよね
    色んな弊害があって困難があって
    成し遂げることの力ってすごい

    きっかけは身近な出来事からなんですよね

    インターネット授業もすごい!
    ということは娘さんは日本に来ても受けれるってこと?

    • KYO

      ▼づみさん、

      私はいつも、「最初に行動する」づみさんのパワーに圧倒されております!(^^)!

      インターネット授業ですが、娘は受ける予定は今のところまるでありませんが、もし日本から受けたい場合はもちろん権利がありますよ〜。
      小・中・高と受けられまーす。

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