梅干もどきと杏のシロップ

見てくださいよ、この見事な南高梅っ!(*゚∀゚)=3
南高梅???

最高級紀州産大粒5Lサイズ!

・・・・・というのは大ウソで、

実はこれはオーストラリア産のアンズ(アプリコット)でした~。
梅干しならぬ杏干しを作ろうと思って手に入れてきたんです!

話は数年前に遡ります。
ブリスベンからキャンベラ(オーストラリアの首都)に引越して、またブリスベンに戻ってきた方から
「キャンベラには、アプリコットで梅ぼし(もどき)を作っていた人がいた」
というお話を伺いました。
でも、そのときは「へー!」とビックリして終わりでした。

が、つい先日、今度は別の方(当ブログに度々お名前が出るかえるちゃん)から
「青森では杏を干したものを梅干として食べている、とテレビでやっていた!」
という情報を聞きました。
昨年久しぶりにブリスベンで梅を手に入れ未だに興奮さめやらぬ私は、それを聞いてものすごくウズウズしてしまいました。

で、

先日八百屋でアンズを見かけた折、矢も楯もたまらず購入してしまいました~!

さっそく漬けて見たのがコレ。
梅干しならぬ杏子干し。
見た目と香りは、立派に「梅干」って感じになってきてます!

とりあえず今年は実験的に、500gだけ漬けてみました。
塩の量は18%(アンズ500gに対して90g)で、漬け方は普通の「梅干の作り方」とまったく同じです。
ただ、ブリスベンで手に入るアンズは、全然酸っぱくありません。
どうすりゃいいのかとネットであちこち検索してみたら「あんずで梅干(もどき)」を作っておられる方は世界各国におられて、多くのページに「クエン酸を使うといい」と書いてあったので、杏の重量の2%(アンズ500gに対して10g)ほど入れてみました。
ありがとう>見知らぬ皆様!

で、その「杏干」ですが、梅酢ならぬ杏酢?があがってきた当初は梅干というよりは明らかに「干しアンズ」の香りでしたが、ここ数日は「うわーっ、梅干?!」というイイ感じになってきてます。
先日も書いたようにブリスベンは雨続きなのでまだ干してませんが、この先無事梅干っぽくなるのかどうか?すごーく楽しみです。
出来上がったら、またブログのネタにしますので、乞うご期待!(^^)!

そして、

残りの杏は、「杏シロップ」にしましたよ~。
ネットで作り方を検索してみたら、杏のシロップは梅シロップとは違ってわずか24時間で出来上がり!と勝負が早いんですって!

作り方は、まずは種を取った杏を切り刻みます。
切り刻んだあんず
切り刻んだ杏の7割から8割の量の砂糖と混ぜ、重石を乗せます。
重石を乗せているところ
これが24時間後。
■
あとはザルで漉して実とシロップに分けて、できあがり~!(^^)!
これをお好みで、冷たい水や炭酸水で割って杏ジュースとしていただきます。

さて、その杏ジュースのお味ですが、これはこれで美味しいのですが私はどうしても梅シロップと比べてしまって、なんだかパンチが無くて物足りないというか、呆けたような味だなぁと思ってしまいました。
杏シロップにも杏の梅干しもどき同様、クエン酸(もしくはレモンの絞り汁)を加えたらよかったのかもしれません(※これについては、後半の追記も参照してください)

でも娘の友達のオージー娘たちには梅シロップよりもずっと好評で、泊まりにきた子どもたちにがぶがぶと飲まれてしまい、杏シロップは結局その一泊二日で全て無くなりました。
たぶん、彼女たちにとっては梅よりも杏の方がなじみのある味だったからだと思います。
消費された砂糖の量を考えると恐ろしいですが、気にしない気にしない・・・・・・

なお、シロップを作ったあとの杏は、冷凍保存しました。
アイスクリームのトッピングにしたり、スムージーを作るときに入れたりして、ちまちま楽しんでいます。
私はシロップよりも、どっちかっていうとこっちの方がウレシイかな(笑)。

ところで、

梅干しならぬ杏干しがだんだんといい香りになってきたのを嗅いでいるうちに、今更ながらに

「こここここれは本物の《杏仁》の香りではないか!!」

と気づきました。
杏仁とは、呼んで字のごとく「杏の仁(種の中身)」ですね。
・・・・・・・私、杏シロップを漬けたときにはずした種は、さっさと捨ててしまいました。
なんともったいないことをー!(T_T)

でも、杏の実から種を取り出すまでは梅よりも断然ラクだったのですが、またもやネットであれこれ調べてみると、そこから先、硬い種を割って仁を取り出すのはなかなか大変な作業のようでした。
読んでいるだけでげんなりしてしまったので、これはまた来年以降に、気力が出たら挑戦してみたいと思います。

ただ、杏仁の香りって本当にステキなので、どうにかして楽しめる方法は無いか・・・と考え、もう一度杏を買ってきて、丸ごとフルーツ酢っぽく漬けてみることにしました。
杏酢作成中~
と、いうわけで、こちらも現在熟成中。
今回購入した杏は、2週間ほど前に梅干(もどき)用として手に入れた青っぽさの残る杏とは違ってずいぶんと熟していて、明るいオレンジ色というかまさに「杏色」でした。

分量は、杏酢だけでなく漬け終わった後の杏も楽しみたいので酢は少なめで、砂糖漬けっぽくなるように、リンゴ酢400cc+杏1kg+砂糖1kgにしてみました。
最初は広口ビンで漬けたのですが、次の日には酢から浮いた部分が茶色く変色してしまったので、慌てて細めのボトルに詰め替えました(それが上の写真です)。
が、細めのボトルにはもともと漬けていた量すべては入りきらなかったので、残りの液体はとっとと取りわけてしまいました(そしてそれをいただいていますが、現時点でも充分美味しいです)。
今は杏が浮き上がらないように、実の上にシリコン樹脂の落し蓋をしています。
酢の中にある限りは、キレイな杏色のままです。

りんご酢で漬けた杏酢は、私には「物足りない」と感じた杏シロップの酸味の無さも補って、美味しくなってくれるんじゃないかと大いに期待しています。
はてさてどうなることやら、こちらも出来上がったらまたブログのネタにしたいと思います!(^^)!

(※追記。)
・・・・という上の文章を書いたのは、実はブリスベンに洪水警報が出された日でした。
ブログ記事を慌てて差し替えたので、このネタはお蔵入りになっていました。

それから1ヶ月近くが経過した今、梅干もどき(杏干)がどうなったか?というと、

杏干し(梅干もどき)完成!
立派に出来上がりました!(^^)!

洪水の後、ずっと晴天が続いていたので干してみましたが、ブリスベンは日が強すぎるらしく、2日で塩の結晶がくっきりと浮き上がってきてしまいました(><)
なので3日目は、梅酢から出さずそのまま干しました。

見た目と香りは、どこからどうみても梅干しです!
・・・という気がするのですが、本物の梅干しと嗅ぎ比べてみると、やっぱり違います(でもそれは、今家にある梅干しが3年ものなのに対して杏干しは出来上がったばかりだからかもしれません)。

お味は・・・・・・梅干しだぁ!(*゚∀゚)=3

ただ、食感は本物の梅干しよりもかなりやわらかめです(が、これは干し方がまずかったのかもしれません・・・)。
まぁこれについては、梅ペースト(杏ペースト?笑)にしてしまえばまったく問題ありません。

手に入る材料で簡単に作れる上に、とてもうれしいことに、梅干し大好き人間の娘がかなり気に入ってくれたので、来年まだ青っぽい杏が出回ったら、今度は本格的に大量に漬けてみたいと思います!!

そして杏酢ですが・・・、

こちらも大成功でした~~~!
杏仁の香りがとってもよく出ていて、ものすごぉおおおおおく美味しいです!!

エキスが出たあとの杏も干し杏風の味と食感で、美味しくいただいています!(^^)!
干し杏ならぬ漬け杏
ちなみに実の色は、1ヶ月経った今でもごらんのとおりきれいな杏色のままです。

次の日にはすぐに出来上がる杏シロップもあれはあれでイイのですが、私にはやっぱりジックリ漬けたほうが、杏仁の香りによって格段に美味しくなるように感じられました。
酢を加えたことによる酸味もですが、仁の香りがあるか無いかが梅シロップとの美味しさの差だったんじゃないかと思います。
瓶を移し変えたときに入りきらずに取り分けた分と飲み比べてみると、その味の差は一目瞭然(一口瞭然?)でした。
ただ、広口瓶から細目の瓶に入れ替えた際入らなかった分を取り分けたことにより杏に対するお酢と砂糖の漬け汁の比率が大きく変わっているので、次回作るときにはどの分量で作ったらいいのか、ちょっと悩みそうです・・・。

来年は、杏シロップも杏仁の香りがよく出るように、杏+砂糖(お酢無し)で、じっくり時間をかけて漬けるバージョンにも挑戦してみたいと思います。
きっと「梅シロップの代用」というレベルでなく、また違った美味しさのものができるのでは?!と楽しみです!(^^)!

メモ:
お世話になってるかえるちゃんに質問を受けたので載せておきます。
ウチで使ってるクエン酸(Citric Acid)はこんなのです。
クエン酸(Citric Acid)
ブリスベンでは、大抵のスーパーの、お菓子の材料コーナーのところに置いてあります(^.^)

梅干もどきと杏のシロップ” への24件のフィードバック

  1. ネコという名の犬

    シドニー在住です。
    近所に杏の木があるので梅干しを漬けました。というか、梅の実と勘違いして漬けたのですが(^^;;
    お味は梅干しそのもの。でも効果は梅干し程あるのかなぁ?
    ホワイトリカーやウォッカの代わりですが、台湾の米酒はどうでしょうか?味が焼酎っぽく、かなり安価です。35度のもあったりして。
    梅干しの殺菌にしか使ったことはありませんが、大丈夫ならいろいろフルーツ酒とか作れますよね。

    • KYO 投稿作成者

      ▼ネコという名の犬さん、初めまして!
      お返事思いっきり遅くなり失礼致しました。

      杏の木をお持ちなんですか、うらやましいです~!
      杏と梅はかなり似た親戚だそうで、日本には杏と梅の両方の特徴を持つ中間の撞木もあると聞いていますよ。

      台湾の米酒ですが、35度のもあるんですか!
      以前日本酒の代わりに使っていたことがありますが、そんなに高い度数のが売っているとは知りませんでした。今度チェックしてみますね!

  2. おにぎり

    またまた杏干しにチャレンジしようとグッグっていたらKYOさんに巡り会ってしまいました!!さすがですね。
    近所にわんさか青梅ならぬ青あんずが実ってたので1.5キロばかり頂いてしまいました。
    明日あたりきちんとご挨拶して出来上がりをお礼にお持ちする(?)という約束でもしてもっともらってこようかと企んでいます。
    毎年ネットもつけずに鳥に食べ放題で終わってるようなお家なので、杏干しはお口にあわないにしても、シロップだったらこちらの人に口にも合うのでは〜?と。
    そうそうホワイトリカーの代わりにはやはりウォッカ使ってますか?
    結構高いですよね〜。他に代用できるものがないものか…

    • KYO 投稿作成者

      ▼おにぎりさん、

      ををー、杏干しに挑戦なさるのですね!(^^)!
      私は、去年青梅をいただいたので今年は杏には手を出していませんが…。
      そういえば去年は、杏のお酒を漬けました。どうなっているか、そろそろ覗いてみようかな?

      ホワイトリカーですが、ここのところ日本に帰る度にこまめに持ち込んでます~
      その前は、ウォッカ使ってました。
      それで思い出しましたが、リモンチェッロを作りたくてスピリタス・ウオッカを探したこともありましたが、ブリスベンには売ってませんでした(T_T)
      そちらにはありますか?
      それとも、オーストラリア全土どこにも無いのかなぁ(ずっとナゾなんです)。

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