避難生活で役立ったこと

ブリスベンで発生した洪水時に、自宅で数日間電気の無い避難生活を行ったときのメモを忘れないうちに書いておきます。

まずは、備えておいて本当によかった!と思ったもののリストです。

1. 缶詰などの非常食
2. カセットコンロ
3. ろうそく
4. ラジオ(と、替えの電池)
5. ミネラルウォーター
6. 圧力鍋

7. 太陽電池式の電灯
8. 太陽温水器(シャワー)

だらだら書いていたらえらく長くなったので、詳細はスクロールに入れます。

1.「缶詰などの非常食」

実はウチには非常食らしきものがなく、洪水前日の大雨の日、普段からリアルでお世話になっているかえるちゃんが、
「洪水がやってきたらお店も長期で閉まる可能性があるから食料品を買ってきた」
と言っているのを聞き、あぁそうか!と気づいて慌てて購入してきたんです。
かえるちゃん、どうもありがとう(;_;)ホントに危なかったよ・・・

で、実際に洪水になって世の中からしばらく遮断されてから気づきましたが、米と味噌、はたまた豆や海草などの乾物と言った普段から食べている「日本食」の材料はとっても賢い保存食で、非常食そのものでした!
おかげで慌てて購入したインスタントラーメンなどは、ありがたいことに結局出番がありませんでした。
日本食ってすばらしい!!!

あと、停電で冷蔵庫が使えなくなり、その後も品薄が続いていた間、「粉ミルク(粉末牛乳)」が思いのほか活躍しました。

以前は粉ミルクなんて買ったこともなかったんですが、今年の年末年始にオットと息子が日本に一時帰国している間娘と二人きりですごした際、1リットルの牛乳すらも持て余して腐らせそうになって慌てて飲んだりするのに嫌気がさし、「水を加えればいつでも牛乳の出来上がり!」という粉末タイプをたまたま購入していました。
あまりにも便利だったので、牛乳が普通どおりに店頭に並ぶようになった今でも愛用しています。
ちなみに使用しているのは、スキムミルクではなくフルミルクの粉末牛乳です。

それから「冷蔵庫」ですが、先述のかえるちゃんに「停電になるかもしれないから、それに備えて、冷凍庫でできる限り氷を作っておいたほうがいい」と言われ、なるほど!と洪水の前日に慌てて作った氷のおかげで、冷凍庫は4日間の間、がんばってくれました!

冷蔵庫と違って、冷凍庫はきっちり詰めた方が保冷効果が大きくなって電気代の節約になる!というのをご存知でしたか??
と言っても使う当ても無い氷を作っても無駄な電力がかかるだけでしょうけれど、今回の場合は、冷凍庫の空いている隙間に入るだけのプラスチックのボトル’を用意し、八分目に詰めた水を凍らしておいたので、それが保冷剤となって冷凍庫の中の品々を守ってくれたんです。

実は、最初は停電になったら冷凍庫の中身と作った氷とをクーラーボックス(オーストラリアでいう「エスキー」)に移すつもりでいたんですが、冷凍庫及び冷蔵庫はクーラーボックス以上の保冷効果で、プラスチックボトルの中の氷は4日間もの間、完全には溶けませんでした!
数日間に渡る保冷は想定されていないであろうクーラーボックスに比べて、ほぼ完全に密封されている冷蔵庫や冷凍庫のほうが保冷効果が高いのはちょっと考えればアタリマエといえばアタリマエなんですが、目からウロコでした~。

なお、冷蔵庫は2日目から庫内がだんだんとぬるくなってきたので、その時点で、乳製品などの腐敗しそうなものは冷凍庫に移しました。
停電4日目は、冷凍庫はすっかり「冷蔵庫」の中のようになり、その日は大丈夫だったもののこれ以上停電が続くと危ないかも・・・という感じになりましたが、その夜から、隣の家が発電機を貸してくれたので何とか乗り切れました(;_;)
と、いうわけで、停電も4日までなら、冷凍庫が大活躍してくれます!

2.「カセットコンロ」 5. 「ミネラルウォーター」 6.「圧力鍋」  
これらは災害のためにわざわざ用意したわけではなく、普段から使っているものです(私は電気コンロでご飯を作るのがどうしても苦手で、ガスで調理をすることが多いんです)。
ご飯も普段から電気コンロ+圧力鍋+ミネラルウォーターで炊いています(これらを使うと、オーストラリア産の米もそれなりにおいしくモチモチと炊けるんです)。

圧力鍋を使うとガス代の節約にもなるし、停電中はこの組み合わせが大活躍で、停電でなくても、圧力鍋が二つあってもいいナァ。と思いました。

また、洪水中は水道が丸一日止まってしまい、復旧してからもしばらくは土色ににごった水が出てきて、「飲用の際は10分以上沸騰させること!」とラジオで言っていましたが、電気がいつ復旧するかわからない中での限られたエネルギーでしたから「10分沸騰」というのももったいなく、ミネラルウォーターを常備していて本当によかったです。

3.「ろうそく」 4. 「ラジオ(と、替えの電池)」
ろうそくは、たまたま少し前がクリスマスだったのと私の趣味とで、山ほどストックがありました!
ちょっと前にブログのネタにした「オイル・キャンドル」も役に立ちました。
非常用のキャンドル
以前Tsuki日記in QLDのTsukiさんご夫妻にいただいたワインの樽から作ったキャンドル・スタンドが、とってもありがたかったです(;_;)Tsukiさん、Takaさん、ありがとうございます!

ラジオは、実は、災害用として用意してあったものは電池切れで、そのラジオに使えるサイズの電池のストックも無かったんです。
それに気がついたときには発狂しそうでしたが、日本にいるオットと連絡を取ったら「以前聞いていた日本のラジオが自分の本棚にある」というので、探してみたらそのラジオはたまたまその数日前にブリスベンに戻ってきた息子が日本で買って持ってきていた電池が使えたので、なんとか事なきを得ました。

日本とオーストラリアでは中心となるラジオ局の周波数は異なるのですが、緊急放送を流していた局は偶然そのラジオでも聞けたので本当に幸運でした。
ラジオと電池は、普段からしっかり用意しておかねば・・・と肝に銘じました(が、これを書いている今、未だにその緊急用ラジオには電池を入れてないことを思い出しました(><)いけないいけない・・・)

で、「電池切れ」といえばもうひとつ、

7. 「太陽電池式の電灯」

です。

太陽発電式の電灯
これです。

これは太陽発電で充電するタイプの電灯です。
非常用ではなくオットの趣味で、以前太陽発電のときにちょこっとご紹介したNENSYS New Energy Systemsさんから購入して普段から使っているものなのですが、「まだ使えるのにもったいないから」とバッテリーを交換していなかったんです。
結果、肝心の非常時に充電がきちんと成されず、せっかく晴天が続いていたというのに10分ほどで明かりが消えてしまう状態になっていました(涙)
替えのバッテリーはあったのですが、六角レンチがどうしてもうまく扱えず、私には交換できませんでした・・・

結局お隣のお兄さんにお願いして替えていただき、その日からは無事使えるようになりました!
頼りになるお隣でよかったです(;_;)
一日目はキャンドルで充分で、二日目も電灯はあっても娘のリクエストでキャンドルで生活しましたが、三日目からはだんだんと心細くなってきたので、明るい電灯があったのは本当に心強かったです。

そして太陽エネルギーといえば、今回とっても役に立ったのは

8. 「太陽温水器(シャワー)」

でした。
停電になってしまっても、晴天が続いていたのでお湯はふんだんに使えました。
それだけでも心がホッとして、ありがたかったです。

ところで、我が家には「太陽温水器」のほかに「太陽発電機(ソーラーパネル)」もあるんですが、実はこれ、停電時は使えなくなってしまうんです(><)
なぜかと言うと、発電した電気は直流で、それを家庭の電気として交流にして使えるようにするためにはパワーコンデショナーという機械を使わなければならないんですが、その機械は外部からの電力で動いているんです(;_;)

もちろん外部からの電力を当てにすることなく設置することも不可能じゃないんですが、そのためには、近寄ると人体に多大な影響があるような強力な蓄電池とか音のうるさい発電機などを使わなくてはならないので、広大な敷地があって家から離れた場所に発電装置を置ける場合ならともかく、町なかにある普通の家でそれをやるのは現実的じゃないそうなんです。

でも、日本の太陽発電機は非常時の発電ができるタイプのものも多いとのことなので、ブリスベンでもそれが一般的になったらいいのになぁ、と今回しみじみ思いました。

続いて、あったらよかったのに・・・と思ったものは、

9. インターネットが見れる携帯電話

です。

停電中、ラジオだけが情報源となってしまい、本当に心細かったです~(;_;)
逆に言うと、ネットにアクセスできていたらそれほど不安は感じなかったと思うんですよね。
いかに自分がネットに依存しているかがよくわかりました。

停電中ネットに接続できなかったので子どもとたっぷり時間が取れたのはよかったことのひとつでもあるんですけど、やっぱり心の安定のために、停電してもネットにアクセスできる環境だったらよかったなぁ。としみじみ思いました。

オーストラリアには、日本のような「太陽で充電できる」携帯電話ってのはメジャーじゃない気がするんですけど、あるんでしょうか?
あったとしても、ネットは見れないのかなぁ?

まぁネットはともかく、今回電話回線が切れてしまったうえに、携帯電話の電池も切れそう!となったときにはとっても不安でした。
携帯の電池だけでも、なんとか充電できるような手立てを早急に考えたいと思います。

このほか、ラジオで繰り返し「避難所にくるときには忘れずに!」と言っていたのが

10.パスポートか運転免許証などの自分を証明するもの
11.寝袋

でした。
ほかにも言っていた気がしますが、メモっておかなかったので忘れてしまいました(すいません・・・)
オーストラリアの場合は、被害に遭った人は避難所で給付金の手続きが行えたりするので、振込み口座名などのメモも避難袋に入れておいたほうがいいかもしれません。

それから災害後の意外な役立ちグッズは

12.デジカメ

です。
ありがたいことに我が家は該当しませんでしたが、「洪水の被害に遭った人は、被害にあった物品を、片付ける前に片っ端から写真に撮っておくように!」とラジオで繰り返し言っていました。
これらは後々保険の請求をするときに役に立つんだそうです。
この情報が今後も役に立つような事態に陥らないことを祈りたいですが、覚えておこうと思います。

それにしても我が家は普段からかなりサバイバルっぽい生活だったんだなwというのが今回よくわかりました。
非常時に備えて、小さなお子様のおられるお宅は家庭のイベントとして定期的に「電気を一切使わない週末」とかの体験を楽しく(←ここ重要!)行っておくと、いざというとき役に立つかもしれないですねー。

追記:
クイーンズランド州政府が日本語で出しているお知らせです。
非常時用セットなど、結構役に立つことが載っているのでリンクを貼っておきます。
サイクロンに備える

避難生活で役立ったこと” への21件のフィードバック

  1. tsuki

    KYOさん、今更ですが、この記事をトラバさせていただきました。
    それから、ケアンズの避難先でご出産されたアキコさん、同じプレイグループのママさんだったんです!
    本当にビックリしました。

    氷情報、本当に役に立ちました。
    ありがとうございました。

    • KYO

      ▼tsukiさん、

      新ブログを初めて以来の、第一号のトラックバックをありがとうございました〜m(__)m

      アキコさん、上にも小さなお子様がいるそうなので「ひょっとしたら」と思いつつ、いやいやいくら小さな町と言ったって日本人は6000人もいるというしまさかなぁ、と思い直していましたが、なんとやっぱりお知り合いでしたかー!
      もう会われましたか?
      出産直後でもすごーくお元気そうな映像を拝見し、立派なお母さんですねぇー。
      私からもおめでとうございます、とお伝えくださいませm(__)m
      tsukiさんも、お疲れさまでしたー。
      もう大きなサイクロンが来ませんように、お互い大雨に見舞われませんように!!

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