花巻と宮沢賢治とナッツさん

岩手の花巻にある「注文の多い料理店・山猫軒」の前で撮ったこの写真。
注文の多い料理店・山猫軒
左は私の母、真ん中は私の娘、では右端のすらりとした別嬪さんは~・・・
ミス三陸、もしくは「三陸のハイジ」こと、我らがナッツさんです!(^^)!
ってタイトルでバレバレでしたね。(笑)

と、いうわけで、6月に、ナッツさんに会いに岩手に行ってまいりました。
実は私、日本は仙台から上に行ったことがありませんでした。
なので、岩手ももちろん初めてです!
わくわくドキドキの旅でした。

ですが、本当のことを言うと、最初は行ってもいいものか?かなり迷いました。
計画を立て始めたのは5月でしたが、東北はまだまだ観光に行くような状況ではないと思えるようなニュースばかりでしたし、オットには相手様にも迷惑だと止められました。

実は東北には今回ナッツさん以外にお会いしたい方が数名おられて、そのうちのおひとりには断られてしまいました。
当然だと思います。
私が一方的に「会いたい」というだけでは、訪ねていくわけにはいきません。

でも、ナッツさんは、恐る恐る問い合わせた私に、
「もちろん! いらして下さい!!」
 と即答してくださいました。
絶対に行きます!!と気持ちを固めました。

が、

行く!と決めてから行き方をチェックしてみたら、ナッツさんの住む町へは、自家用車を運転する以外には、行く方法が無かったんです・・・

海沿いにあるナッツさんの生まれ故郷は、津波で大きな被害を受けました。
ナッツさんのご実家も半壊の被害に遭われ、勤務先も浸水したそうです。
線路も流され、未だに復旧のめどは経っていません(※その後、現在では途中の駅までは鉄道は復旧し、その先は長距離バスが走っているようです)。

どうしようかと困っていたら、ナッツさんご自身が、新花巻駅まで来てくださることになりました。
津波でご自宅が被害にあったナッツさんの従姉ご夫妻が現在は新幹線から近い町に住んでおられるそうで、ナッツさんは私たちを迎えに来てくださるために前日からそこに泊まって用意してくださり、当日は従姉ご夫妻とそのお嬢様までもが私たちにお付き合いくださったんです!

さて、

ナッツさんとのメールのやり取りの中で、私は
「宮沢賢治が好きです」
などと書いてしまいました。
岩手といえば、私の中ではまずは「宮沢賢治」です。
ところが、ナッツさんの従姉さんのご主人は、宮沢賢治にものすごぉおおおく詳しい方だったんですー。

宮沢賢治ファンとしては、お詳しい方に案内していただけるだなんて千歳一隅のチャンスでしょう。
でも、私の「宮沢賢治が好き」という「好き」のレベルが、ナッツさんのご親戚の方とはだいぶ違っていました・・・orz
さぞかし張り合いの無い相手だったと思います。
ナッツさんの従姉さんのご主人さま、その節は、大変失礼いたしました~・・・(T_T)

で、

冒頭に載せたレストランは宮沢賢治博物館入り口にあるお店です。
山猫軒入り口の看板その1
宮沢賢治の「注文の多い料理店」のお話そのままに、
「どなたさまもお入りください 決してご遠慮はありません。」
と看板が掲げてあります。

そして次の看板には、
山猫軒入り口の看板その2
「ことに肥ったお方やお若い方は 大歓迎いたします。」

ちょっと年をとっているけど肥っている私と、ちょっとやせているけどずいぶん若い娘はウキウキ先に進みました。
ちなみに顔とか耳にたっぷり塗るクリームは用意されてはいませんでした<ホッ。

私が注文したのは大根グラタン定食です。
大根グラタン定食
左隅にあるのがそれです。
グラタンだけでなくたっぷりのひっつみ付きでした~

「ひっつみ」というのは岩手の郷土料理で、ワンタンの皮のようなつるりとした口当たりのいい食感の小麦粉を薄く延ばしたものが入っている汁物です。
すいとんの一種だそうですが、私の知っているすいとんとはずいぶん違っていました。

それにしても岩手でいただいた食事は、どれもこれもボリュームたっぷりで炭水化物満載でした!
これを皮切りに、滞在中はあちこちで、たくさんの炭水化物を摂取することになったのでした。

食事の後は、宮沢賢治博物館へ!
宮沢賢治博物館入り口
これは入り口にあった「猫の事務所」のオブジェ。
「『猫の事務所』ってどんなお話?!」
と娘に聞かれてもとっさに答えられないダメダメなワタクシorz・・・
(ちなみに「猫の事務所」は、ネット上ではここで読めます。→猫の事務所

宮沢賢治博物館では、ナッツさんのご親戚の方の丁寧な解説で、今まで知らなかった賢治のあれこれをたくさん知ることができました。
っていうか、私って宮沢賢治のことを本当に何にも知らないんだなぁということがすごーくよくわかりました・・・orz

そのあと、車で「賢治先生の家」と呼ばれる羅須地人協会の建物に連れて行っていただきました。
羅須地人協会
羅須地人協会(らすちじんきょうかい)とは、wikipediaに拠ると
1926年(大正15年)に宮沢賢治が現在の岩手県花巻市に設立した私塾。
だそうです。

建物の中は吹き抜けになっていて、おしゃれなつくりでした。
そのまま住み着きたいくらいです。
羅須地人協会に使われていた建物の内部
もともとは宮沢賢治の祖父の隠居所として建てられたもので、賢治の没後に移築されたものだそうです。

そしてなんと、この建物は現在、花巻農業高等学校(宮沢賢治が教諭として勤務した花巻農学校の後身に当たる学校)の敷地内にあるんです。
見学するには高校の中の敷地を通っていくんですが、当日は日曜日で、部活に来ていた男子高校生たちが「こんにちは!」と大きな声で挨拶してくださったのにはびっくり感激でした。
岩手の青年たちは、清々しくてかっこよかったですよ~。

続いて宮沢賢治の弟の孫がやっているという喫茶店、林風舎に連れて行っていただきました。
宮沢賢治の喫茶店 林風舎
おしゃれな宮沢賢治グッズがセンスよくならべられており、二階が喫茶スペースになっています。
賢治で大賑わいで、席が足りなくてお茶にありつけるまでしばらく待たされました。
優雅な午後でしたー。

ところで、一方的に押しかけてあちこち案内していただいた上に、ナッツさんにはお土産までいただいてしまいました~
そのうちのひとつ、ナッツさんご愛用の日焼け止めは、ブリスベンでさっそく使用しています。
ナッツさんみたいな色白美人になれますように(-人-)

そしてそして、コレ!!
ナッツさんありがとう!
ナッツさん手作りの、ゴージャスなビーズ・アクセもいただいてしまいました~!

私のブログを読んでくださっている方の多くはご存知だと思いますが、ナッツさんと私はネットショップの店長つながりで知り合いました。
今は休止中のナッツさんのショップですが、また素敵な手作り作品がネットに並ぶ日を楽しみにしています。

ナッツさん、そしてナッツさんの従姉ご家族のみなさま、まだまだ大変なときに快くお付き合いくださって本当にありがとうございました。
次回は、ナッツさんの生まれ故郷にある三陸の美しい海を見に行けることを、そしてナッツさんとのお話の端々に出てきたお父さんとお目にかかれることを、楽しみにしています!

花巻と宮沢賢治とナッツさん” への12件のフィードバック

  1. tomo

    KYOさん~~~~~!お久しぶりです。お元気そうで何よりです。
    アゴラに出演されたんですね。見逃してしまいました、残念。
    しばらく韓国に行っておりました。4月末に「元気出せ日本」ということで企画された日韓交流事業に参加し、5月は3週間の韓国語研修をしてきました。
    7月は義母と一緒にチェジュ島へ行ったり、なんだかあっという間に夏になってしまいました。元気に過ごしています^-^

    • KYO 投稿作成者

      ▼tomoさん、

      わーいお久しぶりです!
      アゴラ・・・何かもうはるか昔のことのようです(笑)

      わぁ、また韓国に行っておられたんですね!
      私の母、この4月から、韓国語教室に通い始めました。
      私の手を借りず、一人で韓国旅行に行くのが目標らしいです。
      目標が達成されるといいなぁと思って見守ってます(^.^)

  2. ナッツ

    kyoさ~~ん。 花巻では本当に楽しい時間をありがとうございました。
    岩手に住んでいながら、今回訪れた賢治関連の施設は、私も初めての場所でした。
    賢治記念館の近くにある「童話村」には、以前子供を連れて行ったことがあり、私としてはそこもいいかなーーー?思っていたのですが、「賢治通」の従妹の旦那さんにすれば邪道だったのか、候補には挙がりませんでしたね・・・(笑)

    あちこち連れまわして、お疲れにならなかったか心配しましたが、もし懲りていなかったら(いえ、例え懲りていたとしても・・)機会があったらまた是非お越しください!

    それにしても・・・たった一カ月前なのに、もうずいぶん前の出来事に思えるのはなぜでしょうか・・・。楽しかったですねーーーー。

    • KYO 投稿作成者

      ▼ナッツさん、

      「あちこち連れまわして」だなんてとんでもないです、貴重なお時間を割いてくださり、本当にありがとうございました!
      童話村は邪道なんですか・・・(笑)私の母はちょっと行きたがってましたー

      岩手は二泊三日じゃとても足りませんでした。
      母も行きたいところがたくさんあるようなので、必ず再訪したいと思います。
      そのときは、またどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

  3. たいゆう

    宮沢賢治博物館や喫茶店、知りませんでしたー、面白いです。是非、私も訪れてみたいと思いました。わくわくしますね。
    注文の多い料理店、授業で習いました。面白かった~~~という思い出です。
    そのまま?の料理店なんて、もう夢のようです!!

    しかし、我が家からは遠いかな・・・・・です。

    • KYO 投稿作成者

      ▼たいゆうさん、

      岩手ですが、私も遠いかな?と思ったのですが新幹線に乗ったら驚くくらい「あっ」という間でしたよ~
      むしろ千葉の母の家から東京駅に行くまでがものすごく遠かったです・・・節電ダイヤで、乗り継ぎがうまくいかない上に東京駅の構内もエスカレーターとか動く歩道とかが泊まっているので足が少々悪い母にはとてもつらそうでした(涙)

  4. づみ

    宮沢賢人をよくご存知の方が同伴された旅ができてよかったですね〜。

    わたしも十数年前訪れたことあります

    思い立ったら吉日。
    断られる勇気を持とう!
    が私の信念です。
    なっちゃんに喜ばれてよかったですね〜。
    悩んでいらした様子がメールでも伺えました。

    いつ行けるかわからないし、行けなくなるかもしれないし、思ったら行くのが一番!って、義母や母を看病していて思いました。

    • KYO 投稿作成者

      ▼づみさん、

      その節はありがとうございました。づみさんには本当に励まされましたー
      づみさんの行動力は、いつもすごいなぁと尊敬しています。
      「いつ行けるかわからないし、行けなくなるかもしれないし、思ったら行くのが一番!」これからも見習いたいですー。

  5. バラカ

    こんにちは。
    ナッツさんのお元気そうな様子がわかって安心しました。
    こういう大変な中でも、岩手のよさ、岩手皆さんの優しさは健在なんだなとKYOさんの記事を通して感じました。
    宮沢賢治博物館、とても面白そう!そして、奥が深そうですね。とても行ってみたくなりました。

    ナッツさんの手作りアクセサリーも、素敵に健在なんですね。
    ナッツさんのアクセサリーはほんとセンス良くかっこいいなと思います!

    親子三代で一緒に旅ができるっていいな~。

    • KYO 投稿作成者

      ▼バラカさん、

      行くまではどんなものかとドキドキでしたが、岩手の中でも、花巻は地震が遭ったなんて思えないほど落ち着いてましたよ!
      震災直後はもちろん大変な思いをされたのでしょうが、今現在は、観光地としてとてもがんばっています。
      もっともっと多くの方が訪れて、岩手の空に癒されるといいなぁと思います。

      バラカさんもナッツさんのアクセサリーのファンなんですね(^^)
      ショップも、早く復活してくださるといいですよねー!

  6. Roo

    わ~、懐かしい!
    注文の多い料理店は子供の時に読みました(^-^)
    でも、今、息子に質問されて答えられませんでした~。
    週末、図書館に行ってきます。

    楽しい旅で良かったですね。
    ペンダントも素敵!
    ぐっと大人っぽいですね。

    • KYO 投稿作成者

      ▼Rooさん、

      宮沢賢治の童話は、版権が切れているのでネットでも読めるんですよ(^^)
      http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/43754_17659.html
      娘は宮沢賢治をまるで知らなかったので、これは大変と思い、出かける前にネットで「注文の多い料理店」だけ読ませていきました。
      偶然にも最初に連れて行っていただいた場所がブログのネタにしたレストランだったので、つかみはOK!という感じで、娘もとても楽しんでくれてよかったですー。

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